新年がお目出たい時期なのを分かってるのか、暮れから年明けにかけてチランジア・デュラティが見事に開花した。日本でエアープランツと呼ばれるチランジアは、樹木の枝や岩に張り付きながら、霧や露などの水分を葉から吸収して生きている。つまり土が要らず、家庭では霧吹きでの水やりで育成していく。マットな質感をした生きるオブジェとして、モダンなインテリアにもラスティなインテリアにも良く似合う。チランジアには数多くの種類があって、知れば知る程奥が深い。そんな中でも個人的に一番好きなのが、このデュラティとキセログラフィカ。デュラティは大胆な風体に似合わず、ユリのような香りの可憐で小さい花を咲かせる。花持ちもよくて、数週間その花を楽しめる。花が終ると子株を生むので、飼い主は引き続き子株の成長を一から楽しむ事ができる。
写真のデュラティは約70センチの素晴しい個体で、一般に流通することの少ないとても貴重なもの。東京の店頭で販売中なので、誰かの元へ行ってしまう前に是非たくさんの人に見て欲しい。飽きのこない不思議な造形と美しい肌がとても魅力的。

年年歳歳、何だかもの凄い早さで年をとってるように錯覚するのが、この1月。例年1月にはイタリアのフィレンツェで、メンズウェア最大のトレードショーピッティ・ウォモが開催される。見本市のように大きな会場で、各ブランドがブースを持ってサンプルを展示し、世界各国からのメディアとバイヤーが新シーズンの動向をチェックしにやってくる。NEPENTHESも毎回このトレードショーに参加しているが、秋冬向けのピッティは世界一早くて毎年1月に開催。つまり、市場では寒空の下2012年の春夏が立ち上がろうとしている今、ファッションの内側では2012年の秋冬がスタートしようとしているということ。


実はNEPENTHESでもいくつかのブランドは、来シーズンに向けて既に2012年秋冬のサンプルが出来上がっていて、イメージビジュアルの撮影も済んでいる。正直、頭のなかはいつも混乱気味で、いつのシーズンの話しをしてるのかたまに分からなくなる。デザインと生産チームは尚更で、あまりの忙しさに見てるこちらが心配になることも。このスピード感でやってたら、皆あっという間に爺さんになりそうな気もするが、ここで勝負してないとやっぱり面白くない。喜んでオーバーヒートしていこう。
正月はできるだけ出掛けず、体のメンテナンスに努めた。まずはフィレンツェへ。
ガソリン満タン。走り出したら止まらない。土曜の夜の天使。GODSPEED。
