ジム・ジャームッシュに会ったら、どうしても聞いてみたいことがある。
映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」のなかで、エディが着てるモヘアカーディ
ガンの色が何色なのかってことだ。


白黒映画だからこちらは想像するしかない。観たのはきっと大学生くらいで長年すっかり忘れてたのだけど、ある年から秋になる頃に決まって再び同じ疑問が頭を巡るようになってしまった。NEEDLESのせいだ。
もう何年前かも覚えてないくらい前だけど、NEEDLESがモヘアのアーガイル柄カーディガンを作り始めた。もちろん、その企画と映画とは何の関係もないのだけど、当時は雰囲気のあるモヘアと言えば古着で探すぐらいしかなく、中々自分の好きなサイズと色に巡りあうのは難しかった。
今では珍しくないかもしれないが、アンティーク調の襟の始末やボタンまでヴィンテージの雰囲気をそのままに再現したサンプルを見た時は小躍りした。しかも毛の少なくなった古着と違ってばっちり暖かい。それはそれは暖かい。寒がりの自分にとって、NEEDLESのモヘアは必需品のひとつ。
人気商品となり定番となった今も、毎年「ああ!これでしょこれ」と新色サンプルを見ては映画のカーディガンを当てようとしている自分がいる。別に同じのが欲しい訳じゃないんだけども。
今年もこれを見て思った。「ついにきたよ、こんな感じだよ。茶系な感じしたもん。」

で、白黒にしてみた。。

ぜんぜん濃い。違う。
かなり鮮やかな色を着てるのかもしれない。ジャームッシュ先生に会う事は無さそうだから、今後も密かにこの謎を楽しんでいこう。これも映画の楽しみのひとつか。
映画と言えば、
若松孝二監督が亡くなってしまった。ラディカルの権化のようなイメージ。映画監督として国や世間と戦い続けずっとサバイバルしてたきた人が、新宿の路上でタクシーにはねられ亡くなってしまうなんて。非常に残念。人生は何があるか本当に分からない。やりたい事を後悔無くやり続けなければと思う。
初めて「水のないプール」を観た衝撃は忘れられない。近年も「11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち」「キャタピラー」など問題作を精力的に海外へ出品。来春には新作
「千年の愉楽」の公開が控えてい た。
作品の強度が時に強すぎるので、人に薦める事はないのだけど、新作は中上健次の小説を映画化したもので、個人的に中上作品の大ファンなこともあり心待ちにしていた。「映画に時効はないんだよ。俺が死んでも作品は50年100年って残るんだから」、監督は生前そう話していたそうだ。合掌。