ジョディ・フォスターがゴールデングローブ賞授賞のスピーチで、自分がゲイであることを
カミングアウト した。ジョディ・フォスターと言えばなんと言っても、大好きな映画「羊たちの沈黙」のクラリス役が印象深い。オープニングシーンのスウェットシャツ姿や、検死解剖の時に鼻の下に何かゼリーみたいなのを塗るところとか鮮明に覚えている。
ちょっと高めのテンションで始まったスピーチは、パワフルで時にエモーショナルで、何か普通じゃない感じにぐぐっと引き込まれた。普段の演技からは想像できない生な姿がとても新鮮だった。
カミングアウトしたと大きく報道はされてはいても、「loud and proud (声高に、誇りをもって)」というゲイイベント等で使われるスローガンの後に彼女が続けたのは、「I am single」という言葉。私はゲイですと明言した訳ではないのだけど、続けて「家族や自分の周りの人間にはとっくにカムアウトしてた」と話したことで、そういう報道のされ方になったよう。今のような大舞台からは遠ざかることを示唆していたのが、ファンとしては残念。クリントイーストウッドみたいに、監督になって凄い作品を作ってくれるのを期待。
他にスピーチで印象に残ってると言えば、メタリカがロックの殿堂入りした時のスピーチ。ジェームスによるスピーチの映像を見てたまげた。自分が大好きだった頃のメタリカは、SF出身の長髪の変人(たぶん)で、コアなファンをどんどん増やし、観客動員が凄くて、それでもMTVとかには反旗を振って、テレビカメラの前で人に媚び売ったプロモーションビデオなんて作らないと言っていた。袖をちぎった黒Tにスリムの黒パンツ、ベースのクリフなんてベルボトム。ちょうど日本でバブルが始まるかって時に。。
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それが、こんなに大勢の人の前でスーツ姿で堂々と流暢に。。家族も招待されていて、子供には「人の愛し方を教えてくれてありがとう」なんて言っちゃって。。なんて素敵な大人。最後には、バンド結成のきっかけを作ってくれたドラムのラースに感謝の言葉を言ってハグ。泣けたぞコノヤロー。
自分はスピーチというのがどうしても苦手。去年は近しい人が2人結婚して、ありがたいことに2人からスピーチの依頼を頂いたのだけど、恐縮ながら2つともお断りしてしまった。ライブってのが怖い。結局は自意識過剰なだけだと深く反省はしている。ああいうときに2つ返事でOKして、堂々と普通に素敵なスピーチができたらどんなにかっこ良いだろう。
連日報道されていたアルジェリア人質事件が最悪の結末。対岸の火事であったテロや戦争が、突然牙を剥く。暴力的に全部が無になってしまう。ご遺族の苦しみを考えると本当に切ない。
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