
彫桜のタトゥースタジオで横になり天井を見上げながら、飼っていた犬の事を考えていた。そいつはテキサスからNYの自分のところへ2ヶ月くらいでやってきて、そのあと一緒にNYから東京へ移った。我慢強くて偉ぶらない、メロウで優しいヤツだった。今やすっかり老犬になって、ここのところ病院を行ったり来たりしていた。

NYに着いたころ危篤の知らせを受けた。一緒に楽しい日々を過ごさせてもらったNYで、ヤツとの思い出がふつふつと蘇った。そして、ちょうど彫桜が仕事をしてくれてる頃、そいつは東京で息を引き取った。気持ちの準備はできていた。あの世でもきっといつものようにゆっくり昼寝してるに違いない。お疲れさま。思い出はインクになって、彫桜が痛みと一緒に刻んでくれた。R.I.P.
