NEPENTHESで本を作りたいとずっと構想を練っていたけれど、ついにNYオフィスに先を越されてしまった。出来上がった本は、JIMAの処女作品集。JIMAがNYの街で撮りためてきた代表作が詰まったブックレット。タイトルには、For Engineered Garmentsと添えられている。
時代は色が創る、と誰かが本に書いていたけれど、JIMAの写真を見ていると確かにそんな気がする。モノクロで色の無くなった写真からは時代感が消え、いつの時代を写してるものなのか判別できなくなる。それはつまり、時代に囚われないということだから、そこに普遍性が生まれる。
マンハッタンという写真家なら誰もが挑む街を舞台に、なおさら際立って見えてくるのがJIMAならではの視点。ぶらぶらする/LOITERというタイトル通りに、街をぶらつきながらJIMAがハントしてくる写真は、仕込み無しの盗み撮り。これはなかなかハートが強くないと出来ない。事実、撮影中にトラブルになることも多々あるそう。だからこそ撮れる(決定的でもない)何気ない瞬間。ポストを見つめて佇むサラリーマン、うつむき歩く老女、互い違いな場所を指差す旅行者らしいカップル、見ているこちらはついついその背後に物語を探し、"覗き" の共犯者となる。


NOBIが手掛けたデザインも、この本をさらに魅力的にしてる。ページの大きさがそれぞれめちゃくちゃに見えるように(実は緻密に)設計されていて、ページを開く度に違う写真に目が止まり、新しい物語が始まる。何度見ても新たな発見がある作品集に仕上がっている。

NOBIはEGのブックを最初からずっと手掛けてくれいるアートディレクターで、今季の蛇腹風ブックレットも彼のデザイン。朋友であり、NY時代いつもつるんでいたNEPENTHES-CLAN。NY在住ながら日本でも所属事務所が決まるようで、日本でも活躍すること間違い無し。これからは東京で会う機会も増えそう。

と書いていたら、JIMAから来週東京に来るとのメイルが。。
JIMAも日本での仕事がどんどん増えているようで何より。東京の街でLOITERする時間は無さそう。

関根勉がやる大滝秀治!?も発見。
是非ご覧下さい。