ERIOSPERMUM DREGEI

暑い夏を休眠していた冬型の球根類が芽を出してきた。夏に枯れた葉を残したままの土から、葉が顔をだしてるのに気付いて慌てて水やり。秋なのだ。彼らは夏のあいだ葉も茎も幹もなく、光の届かない土の中、塊根だけの状態で秋の気配に気付くのだから面白い。
色んな人から植物について色々聞かれる。好きだから何となく分かる事は喜んで答えるんだけど、よくある質問で、水やりを週何回?というのがある。これは回数では答えられないのが難しい。決まった頻度で水を飲む訳じゃないので、土が乾いたらというのがいつもの答え。多肉植物は例外で、乾いてからさらに日数をおいてからあげるくらいで調度良い。
葉に光が当たっている方が、根からよく水を吸うし、光がなければあまり吸わない。小学生の時の理科の授業を思い出してメカニズムを考える。生き物だから調子が良い時も悪い時もある。水を多めに欲しがる品種も極少ない品種もいるけれど、基本的には鉢を持ってやって、その重さで土が乾いてるか判断するのがお薦め。
ついでに言うと、いくら夏が好きな植物でも、30度を超えてくるような温度は辛い状況。快適なのは人間が快適と思うくらいの温度。真夏より春や秋の方が、ほとんどの植物は調子良く成長します。同時に野性的な姿に育てたくて、あえて厳しい状況にするというのもテクニックのひとつ。
インテリアとして本棚やデスクに植物を飾りたい、というのもあるのだけど、素敵な姿で維持したいなら無理、とはっきり言ってしまう。曇り空でも蛍光灯などの何十倍もある太陽の光を受けて植物は育つのだから、室内ならやはり窓際。日が当たらない場合は植物育成ライトなどで補完したり、複数の植物を育てて外で育てた物と室内にあるものをたまに入れかえて鑑賞するといいかも。室内なら、暗い所にも強い植物を選ぶのが第一。
植物は風も大事。人間と同じで、風通しの悪いところ(組織?)にいると病気になる。ガラス瓶に入っている植物とかは、蒸れて腐ったりしないかとても心配。チランジアなどは特に元々外で風に吹かれているものだから、できるだけ空気の移動があるところがベター。
ここまで言って面倒になってしまう人は、まだ欲しい植物が無い人。手元に置きたいという植物が見つかった人にとっては、毎日の観察や世話も楽しみの時間=癒しの時間に変わる。その成長を見るのは嬉しいもの。今はたくさんの園芸ファンがブログをやっているので、それを読むのも勉強になる。自分も前は毎日のように読ませてもらって楽しんでいた。もちろんプロでもたくさん失敗するし、理由が分からず可愛がってたヤツが突然枯れてしまうときもある。それもまた経験で。
世話はしたくない、でも絶対枯らしたくない!という人は、是非こちらを。
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このコラムから初の書籍が誕生しました。
ある格闘家の戦いの記録。
いまを残したいというただそれだけの、
でもとても切実な祈り。
日々の小さな幸せは、
実は奇跡の連続なのだと気づかせてくれる。
写真家・川内倫子
「3回手術すれば生きられます」。娘が誕生した翌日、聞かされたのはそんな言葉でした———。
格闘家として身体を酷使してきた父が、心臓疾患を持つ娘との日々を綴った人気ブログ「パパはね。。」を書籍化。軽やかな文体の中に見え隠れする、生と死の脆さ、命のたくましさ、母娘の強さが、著者自身の撮影による瑞々しい写真とともに心を打ちます。
木村伊兵衛写真賞受賞写真家、川内倫子氏も絶賛。