
高倉健さんの映画を初めて観たのは大学生の頃だったと思う。中二ぐらいの時に「南極物語」が大流行したりしてたけど、思春期で極端にひねくれていたので観もしなかった。その頃の自分に健さんのかっこよさが分かるはずも無い。やっぱり任侠映画シリーズが良いのだけど、いま思い返して頭に残ってるのは「駅 STATION」の高倉健。単純に最近テレビでやっててまた観たからという理由ながら、健さんが雪の中に立って、渋い表情で遠くを見つめ、舟唄が流れる、黙ってこの予定調和を楽しめる余裕が今の自分にはある。
この映画の舞台は、北海道北西の沿岸にある増毛町。増毛町出身にしてスキンヘッドの先輩がいて、その心寂しい町の様子を幾度も聞いていた。とっても寒いそうだ。そういえば、先輩はこの映画を観た事はあったのだろうか。
もしこの映画を観たら、続けて「刑事物語」を観るのがお薦め。ニヤッとできる。ついでに、この一年観た映画を思い返してみると(自分がディスる意味がないので、つまらなかったのは除く)、
「最強のふたり」
オマール・シーがかっこいい。革ジャンが着たくなる。新作
「サンバ」も絶対観る。
「ゼログラビティ」
ジョージ・グルーニーのファンになった。素晴しい宇宙映画。原題がグラビディ(重力)なのが面白い。結末の描写を考えると原題の方が良かったんじゃないかと思う。
「バグダッド・カフェ」
夏になると必ず観たくなる。登場する絵がなんとも良い。カフェはモハーヴェ砂漠に未だ実在してるらしい。
「桐島部活やめるってよ」
凄く良かった。近年の邦画では個人的ベスト。これが正しい青春映画。
「鍵泥棒のメソッド」
何の予定も無い平日の夜とか、二時間くらいを楽しく過ごすにはもってこい。
「アクト オブ キリング」
もの凄い映画。現代社会は巨大な暴力の上に築かれている、という監督の言葉が全てを物語る。
「The Empire in Africa」以来の衝撃。尊敬する町山さんの解説を参考までに。
「悪の凡庸さ」と「アクト・オブ・キリング」町山智浩
映画好きならとっくに観てるだろうものがほとんど。。
芸術の秋、ということで?休載予定だったDSNYも、ガゴーシアンギャラリーへの訪問記が急遽掲載となってます。是非ご覧下さい。
秋の夜長、楽しみましょう。
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このコラムから初の書籍が誕生しました。
ある格闘家の戦いの記録。
いまを残したいというただそれだけの、
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日々の小さな幸せは、
実は奇跡の連続なのだと気づかせてくれる。
写真家・川内倫子
「3回手術すれば生きられます」。娘が誕生した翌日、聞かされたのはそんな言葉でした———。
格闘家として身体を酷使してきた父が、心臓疾患を持つ娘との日々を綴った人気ブログ「パパはね。。」を書籍化。軽やかな文体の中に見え隠れする、生と死の脆さ、命のたくましさ、母娘の強さが、著者自身の撮影による瑞々しい写真とともに心を打ちます。
木村伊兵衛写真賞受賞写真家、川内倫子氏も絶賛。