今朝、宮益坂を上がっている時、ひとりの男性に目が止まった。てろんとしたネイビーのサマーニットに、オリーブの短めのショーツ、かかとが見えた黒のサンダル。髪の毛は無造作にオイルで撫でつけて左手には紙袋。後ろ姿だったけど、生足な感じが春らしく、力の入ってないこなれた装いがとても洒落ていた。そして、ドトールの信号で追いつき足元をよく見たら、なんとサンダルがうちの商品だった。スウェーデンのクロッグ、
トロエントープ。ありがとうございます。。無垢のウッドに清潔感があって確かに春先にはぴったり。

着ている服を見ると、ある程度その人が見えてくる。どんなものが好きで、どういうライフスタイルを送ってるのか。誰の目を意識して、何を主張したいのか、はたまた、何も意識しない穏やかな境地に辿り着いているのか。服に詳しくなればなるほど、その精度は上がる。どこの誰がどんな服を作って、どこでどのように売られているかを知っているから。
そういった意味でも、服は着ている人の分身であり、人は毎日(人によっては知らず知らずのうちに)自分の在り方を服で社会に示している表現者。千差万別、十人十色。服の作り手や送り手にとって、その表現の多様性を見るのが何よりも楽しみ。
「NEPENTHES in print」#4では、普段からNEPENTHESの店に来てくださっている43人の表現者にご出演頂き、その一人ひとりを山田陽が撮り下ろした。出来上がった雑誌を改めて見ていると、陽は”着こなし”を写したはずなのに、そこに写っているのは紛れもなく人間そのもの。服がちゃんと名脇役になり、本人の一部になっている。皆さん本当に素敵。私達の考えるスタイルとはつまりそういうこと。サンプルとして形だけ真似しても、それはスタイルにはならないのかも。
この場を借りまして、ご出演頂いた皆さんに心から感謝いたします。ありがとうございました。
そして素晴らしい写真を撮影してくれた陽!多謝。
「NEPENTHES in print」#4 "PORTRAIT IN STYLE"
スナップ特集として着こなしについて一冊にまとめました。
清水x鈴木対談も必読。是非お楽しみください。

そういえば、裏表紙にちょっとした細工をしたのに、編集の田口君も部下も誰も気付かず凹んでいたら翻訳の高津さんだけがすぐ気付いて連絡くれた。嬉しす。
4月14日に熊本県で発生した地震により、亡くなられた多くの方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々へお見舞いを申しあげます。一刻も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
好評発売中!
このコラムから初の書籍が誕生しました。
ある格闘家の戦いの記録。
いまを残したいというただそれだけの、
でもとても切実な祈り。
日々の小さな幸せは、
実は奇跡の連続なのだと気づかせてくれる。
写真家・川内倫子
「3回手術すれば生きられます」。娘が誕生した翌日、聞かされたのはそんな言葉でした———。
格闘家として身体を酷使してきた父が、心臓疾患を持つ娘との日々を綴った人気ブログ「パパはね。。」を書籍化。軽やかな文体の中に見え隠れする、生と死の脆さ、命のたくましさ、母娘の強さが、著者自身の撮影による瑞々しい写真とともに心を打ちます。
木村伊兵衛写真賞受賞写真家、川内倫子氏も絶賛。