釣り仲間トミーのジャケット。某Pタゴニアのフィッシングジャケットを、自分でネイビーに染めちゃってるのが凄く良い感じ。

おまけに、某Sムズのウェーダーも黒に染めちゃっててそれも面白かった。防水素材を染色しちゃう発想がなかったからとても新鮮。もちろん劣化などの可能性もあると思うから良い子は真似しちゃダメ。
去年、極寒の猿払川で夕暮れの川に立ち込んでいたら鬱蒼と茂った対岸の葦がわさわさと揺れ出した。この時期に熊!?と思って見ていると、黄金色の葦を掻き分けて現れたのが、熊のように大きなトミーだった。見た目通りのビッグハートな好漢で、すぐに仲良くなり、今では大事な釣り仲間の一人。釣りのキャリアは長く、帯広に住みながら毎日のように川へ出掛け、カットスロートやレインボーを釣りに海外へも足を伸ばす。
十勝地方の遠征では、ガイドのように秘密のスポットへ案内してくれる頼りになる存在。先月の遠征でも、幾つもの川を一緒に歩いた。そのうちの一つ、写真の大きな堰堤は、釣りのポイントとして有名な十勝川の千代田堰堤。

本流でアメマスを釣ろうと訪れたのだけど、残念ながら釣りの女神は自分たちの誰にも微笑んでくれなかった。代わりに、要さんの隣に後からやってきたおじさん(おじいさん?)が、なんと大きなイトウを釣り上げた。しかも、釣り竿を出して10分足らず。北海道は本当に奥が深い。

十勝には良い思い出ばかり。何より川が美しく野性的。こんな本流から、どこまでも蛇行を繰り返す森深くの源流まで、そのバリエーションも無数。こんなところに住んでいたらと想像せずにいられない。そして、そんな夢想がつまり、アーバン・アウトドア・ライフ(©芦沢一洋)の楽しみ方。

彼は今日も川に出掛けてるのだろうか。十勝の河原、あるいはサクラマスが遡上する海岸で、大きな身体に不釣り合いな、可愛いサイズの真っ赤なフィアットを見かけたら、きっとそれはトミーだ。
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このコラムから初の書籍が誕生しました。
ある格闘家の戦いの記録。
いまを残したいというただそれだけの、
でもとても切実な祈り。
日々の小さな幸せは、
実は奇跡の連続なのだと気づかせてくれる。
写真家・川内倫子
「3回手術すれば生きられます」。娘が誕生した翌日、聞かされたのはそんな言葉でした———。
格闘家として身体を酷使してきた父が、心臓疾患を持つ娘との日々を綴った人気ブログ「パパはね。。」を書籍化。軽やかな文体の中に見え隠れする、生と死の脆さ、命のたくましさ、母娘の強さが、著者自身の撮影による瑞々しい写真とともに心を打ちます。
木村伊兵衛写真賞受賞写真家、川内倫子氏も絶賛。