天塩川の河原に咲いていた可愛い花。テコフィラエラやヒスイカズラのような青系の花が妙に好きで、これはエゾエンゴサクだと健人に教えてもらった。後で図鑑を見たら山菜のひとつでもあり、おひたしにして花も食べられるそう。山野草はまだまだ知らない植物が多くて、川遊びには時間がいくらあっても足りない。

北海道には宗谷本線という鉄道があり、旭川から稚内までを結んでいる。日本最北の地の鉄道で、いつか乗って旅してみたいと思いながらも中々そんな機会はなく、毎回天塩川から線路を眺めるばかり。沿線をたまたま車で通りかかったら、もっともミニマムな形の駅が現れた。これは中々の佗びしさだと写真を撮っていたら、今度はゴトンゴトンと一両の電車がやってきた。ちょっと鉄男の気持ちが分かった瞬間だった。いつか乗るまで、無くならずに頑張ってほしい。



オショロコマ。赤い斑点が綺麗なイワナの仲間。こちらも日本では北海道に細々生きている。あまり大型にならないので、尺(30.3cm)に近いものが釣れるとシャクロコマだと言って珍しがっていたら、この魚はなんと36cmもあった。北海道はでっかいどう。もっと大きいのがいるかもしれない。仕方ない(?)、また調査に出掛けねば。。

冬のあいだ山に積もった雪は、春の日差しで溶けて川に流れる。釣り師は、その冷たい雪解け水のことを雪代(ゆきしろ)と呼ぶ。雪代が入ると、川は激流となり水温も下がって、魚との出会いは難しくなる。北海道は今が雪代のピーク。でも、ここ数週間の暖かさで、きっともうすぐ川も落ち着きを取り戻し、川虫たちも騒ぎ出すはず。
テンカラ開幕に向け、札幌のスタッフは準備万端。おまけに東京のスタッフもむやみやたらに盛り上がり中。この春はきっとエキサイティングなテンカラを見せてくれるはず。長嶋ばりのメイクドラマを、期待せずにはいられない。

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写真家・川内倫子
「3回手術すれば生きられます」。娘が誕生した翌日、聞かされたのはそんな言葉でした———。
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