雪の積もった川沿いを歩く。川を渡るからスノーシューは履いていない。平時の何倍も時間がかかり、零下15度だというのに汗が吹き出る。この汗が後で冷えて、下着がコットンだったりしたら厄介なことになる。氷に雪が積もると、地面と川の区別がつかない。不注意で氷を踏み抜くと大変だ。そんな時はいつも動物の足跡を目安に歩く。彼らは歩きやすい場所を心得ていて、体重は違っても結構助かっている。

一人で30分ほど歩いて振り返ったら、まだ200mくらいしか移動できてなかった。この先まだ倍はある。見るんじゃなかったと思いながら、一休みして撮った写真。今見ると、よくこんなところまで歩いたものだと思う。今年を思い返すと、年末の今はそんな気分。

年末の楽しみといえば読書とTV鑑賞。いつも何冊かまとめて読み、何本か観る。なので結構疲れる。年末視聴のフライングで、遅ればせながら『逃げるは恥だが役に立つ』を観始めたら、聞いていた通りの面白さ。何しろガッキーが可愛いのだけど、主演の二人はもちろん、古田新太さんや藤井隆さんなどのスパイスが素晴らしい。ガッキーの衣装も出色。淡い色のシャツやニット、程よいレイヤードがとても似合っていて素敵。ピンクのレーヨンのウェスタンに淡いデニムを合わせたのを見た回ぐらいで、どなたが担当してるんだろうと思ったら、お世話になってる
つぐみさんのスタイリングだった。キャラクターと役者さん本人の魅力が引き出されてつつ、トレンドも引っ張っていて、まさにプロのお仕事。リスペクト。
今年のベストショットのひとつ。
先住民の儀式ではない。清水さんの誕生日を祝う、立川談S。。じゃなかった、要さん。今年も要さんの一挙手一投足から目が離せなかった。来年も刮目しよう。

誕生日といえば、東京のスタッフがマヌカ蜂蜜をくれた。実はかなりの高額蜂蜜だと聞いた途端、興味が湧いてきたのは事実。毎日1スプーン欠かさず摂っている。確かに調子が良くて、なんだか免疫が上がっているような気がする。それにしても美味。ありがとう。

プレスの看板、ミポリンとダイオ。今年もよく笑って、よく働いてくれた。プレスルームは来季のサンプルへの衣替えも完璧に終わり、振り返る間もなく頭の中は春爛漫。自分に至っては、来秋冬のイメージブックのデザインを終えようかというところ。ここが踏ん張り時なのだ。
『NEPENTHES IN PRINT』#6 年末滑り込みで発売中。
是非、年末年始にじっくりと。

今年は何度か釣りの神が微笑んでくれた。
思い出に残る魚は自分の財産だ。記憶の中で、あの痺れるやりとりを追体験できる喜びよ。あの魚たちは今頃、凍結した川の底深くでじっとしてるのだろうか。春になったらまた会いに行こう。

新しい年が皆様にとって幸多き年となりますよう。
心からお祈り申し上げます。
好評発売中!
このコラムから初の書籍が誕生しました。
ある格闘家の戦いの記録。
いまを残したいというただそれだけの、
でもとても切実な祈り。
日々の小さな幸せは、
実は奇跡の連続なのだと気づかせてくれる。
写真家・川内倫子
「3回手術すれば生きられます」。娘が誕生した翌日、聞かされたのはそんな言葉でした———。
格闘家として身体を酷使してきた父が、心臓疾患を持つ娘との日々を綴った人気ブログ「パパはね。。」を書籍化。軽やかな文体の中に見え隠れする、生と死の脆さ、命のたくましさ、母娘の強さが、著者自身の撮影による瑞々しい写真とともに心を打ちます。
木村伊兵衛写真賞受賞写真家、川内倫子氏も絶賛。