M artin Luther King, Jr.,(マーチン・ルーサー・キング)を中心とする市民権運動や学生運動、女性権運動などのムーブメントが巻き起こり、20世紀のアメリカが最も大きな転換期を迎えたと言われる1960年代。ベトナム戦争への反戦運動が学生を中心に一段と激しさを増した1968年に、当時29歳のスチュワート・ブランドという若者が一冊のカタログ雑誌「WHOLE EARTH CATALOG」を創刊しました。
コンセプトは "Access to Tools"(道具へのアクセス)。自然のなかで生きるために必要なノウハウや道具などの情報を一冊にまとめた内容で、自然回帰を唱えていた当時のヒッピーを中心にベストセラーとなり、ウッドストックを代表とするカウンターカルチャーのバイブル的な存在となりました。それは、現代に置き換えればGoogleの雑誌版ようなもの。知りたい情報にアクセスすることが非常に困難だった当時に、あらゆるものを網羅した画期的な全地球カタログとして登場し、ユースカルチャーに大きな影響を与えたのです。
A pple創設者のスティーブ・ジョブズも、若者の自立を支援するこのカタログ雑誌から多大な影響を受けたひとり。スタンフォード大学の卒業生に向けて行った有名なスピーチで、シリーズの最終号に掲載されていたメッセージ「STAY HUNGRY, STAY FOOLISH(ハングリーであれ、バカであれ)」を引用した事も広く知られています。
「WHOLE EARTH CATALOG」は、ただのカタログ雑誌ではありません。ジョブズの言葉を借りれば、そこには「偉大な概念」があったのです。当時の読者はページにそこにある膨大な情報を得ただけではなく、その"使える情報"によって、今の自分とは違う"新しい生き方"を夢想し、"新しい価値観"を得たのです。だからこそ、「WHOLE EARTH CATALOG」は今なお社会に大きな影響を与え続ける伝説のカタログ雑誌であり続けているのです。
NEPENTHES TOKYOでの「VINTAGE BOOK FAIR」では、この「WHOLE EARTH CATALOG」を中心に、ビート・ジェネレーションを牽引したサンフランシスコの書店「CITY LIGHTS BOOK STORE」が出版した貴重な書籍、GRATEFUL DEADを始め数多くのミュージシャンへ作品を提供したサイケデリックアート最高のイラストレーター「STANLEY MOUSE」の絶版作品集、そして、日本のメンズファッション界にも大きな影響を与えた「DRESSING RIGHT」など、NEPENTHESのインスピレーションの源流である60〜70年代のアメリカンカルチャーを映し出す、レアなヴィンテージ本を多数販売致します。是非
この機会にご来店下さい。
WHOLE EARTH CATALOG
「WHOLE EARTH CATALOG」には年代によって様々なものが存在します。
それぞれが違った表紙デザインで、そのほとんどが宇宙から地球を写した写真。
制作者であるスチュワート・ブランドは、地球全体を映した写真があれば、
地球という星の中の自分を客観的に捉え、もっと地球規模でものごとをイメージできるようになると考え、
まだ地球の写真が公にされていなかった1966年に、NASAに対して地球の写真の公開を求める運動を開始しました。
そしてその2年後、「WHOLE EARTH CATALOG」を創り出し、表紙には地球の写真が使われました。
手作業で仕上げられたと言われる素晴しいエディトリアル・デザイン。見てるだけで楽しく、興味深いものばかり。
WHOLE EARTH CATALOG WEBSITE
2009年に過去に出版された全「WHOLE EARTH CATALOG」と
そのファミリーマガジンがデジタル化されました。
全ページが閲覧できる圧巻の内容となっています。
http://www.wholeearth.com/
Steve Jobs commencement speech at Stanford University
スティーブ・ジョブズによる有名なスタンフォード大学での
スピーチ。「STAY HUNGRY, STAY FOOLISH」のメッセージは、
74年の「WHOLE EARTH EPILOG」の裏表紙に掲載。
VIDEO
CITY LIGHTS BOOKS
ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズ、などが代表するビート文学発祥の地といわれる書店。
詩人ローレンス・ファーリンゲッティがサンフランシスコ ノースビーチに1953年に設立。
アレン・ギンズバーグ「HOWL」を始め、出版社として数々の書籍も出版しています。
STANLEY MOUSE
「ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズ、などが代表するビート文学発祥の地といわれる書店。詩人ローレンス・ファーリンゲッティがサンフランシスコ ノースビーチに1953年に設立。アレン・ギンズバーグ「HOWL」を始め、出版社として数々の書籍も出版しています。
1940年アメリカ生まれのアーティスト、スタンリー・マウス。サンフランシスコで起きたサイケデリックのムーヴメントの中で、朋友アルトン・ケリーと共に多数の作品を制作。作品にはアルバムジャケットやコンサートポスターが多く、手掛けたアーティストは、グレイトフルデッド、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリン、ジェファーソン・エアプレイン、サンタナ、ジャーニー、エリック・クラプトンなど、時代を代表するロックスターばかり。NY近代美術館やSF近代美術館にも作品が展示されている。
日本では特に入手困難になっている絶版作品集。
その功績と作品の著名度とは裏腹に、まとめて見れる機会が少ない。
DRESSING RIGHT
「チャールズ・ヒックス著。洋服の着こなし方についてまとめられた1978年出版のグラビアブック。ブルース・ウェーバー、ハーブ・リッツなど、豪華なフォトグラファーによる魅力的なコーディネート写真が満載で、異なるジャンルを組み合わせたレイヤードスタイルはもちろん、さりげない"くずし"や"こなし"など、現代にも十分通用するその美学に驚かされるメンズファッションの名著。日本では1979年に「男の着こなし 何を選び、どう着るか—実践的服装学」草思社が日本語版として出版。
NEPENTHES TOKYO
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